吼える人
そのロボは、吼えていた。
そこにいる人に、そこを管理する企業に、苛立っていた。
外国の人と話しながら、日本人の態度に腹を立てていた。
自分の友人を邪険に扱ったと怒り、吼え、噛み付き、でも、爪は立てない。
私は、些細な疑問を投げかけてみた。
私にも噛み付こうとしてみせた。
牙を見せびらかし、口を大きく開く。
噛み付くのが本性ではなさそうに見えた。
本当は、暖かな気持ちを求めているように見えた。
同情ではなく、私もそう思っていたから。
怒っている時は、本当はとても悲しい。
相手に気持ちが伝わらないのが悲しい。
こちらの呼びかけに答えてくれないのが悲しい。
苛立っている言葉を誰も受け取ってくれないならば、もっと辛い。
誰でも良いから、どんな反応でも良いから、答えが返ってくるまで、大声で、叫んでしまう。
大きな声で叫んでしまうと、それは悲しみには見えず、怒りに見えるけど。
でも、本当はとても悲しい。
喧嘩できるってことは、相手がこちらを向いているって事。
その瞬間だけでも、自分の事だけを見てくれてるって事。
無視されるよりは幸せ。
でも、仲良くできるならその方がもっと良い。
噛み付きそうに喋りはじめたロボはいつしか、親身になってくれた友人を自慢していた。
友達の心配をしてるその人が、本当は一番もろいのかもしれない。
優しい言葉に、そんなに簡単に気を許しちゃ駄目だよ。
『本当は信じたいんだ』そんな態度が見え隠れする。
私の辛い気持ちに、一緒に愚痴をこぼし、同情し、嘆いてくれた。
キツイ言葉は、自分の周りに張り巡らした鎧。
ゼリーのようにプルプル揺れる頼りない心を、一生懸命守ろうとしている。
その弱さがきっと、そいつの可愛げなんだ。
「友達になろう」って、最後まで言えなかったけど。
照れくさいから、そんなのむず痒いもの。
言わなくても、きっとこの会話はずっとあいつの気持ちに残る。
私にも、残る。
そこにいる人に、そこを管理する企業に、苛立っていた。
外国の人と話しながら、日本人の態度に腹を立てていた。
自分の友人を邪険に扱ったと怒り、吼え、噛み付き、でも、爪は立てない。
私は、些細な疑問を投げかけてみた。
私にも噛み付こうとしてみせた。
牙を見せびらかし、口を大きく開く。
噛み付くのが本性ではなさそうに見えた。
本当は、暖かな気持ちを求めているように見えた。
同情ではなく、私もそう思っていたから。
怒っている時は、本当はとても悲しい。
相手に気持ちが伝わらないのが悲しい。
こちらの呼びかけに答えてくれないのが悲しい。
苛立っている言葉を誰も受け取ってくれないならば、もっと辛い。
誰でも良いから、どんな反応でも良いから、答えが返ってくるまで、大声で、叫んでしまう。
大きな声で叫んでしまうと、それは悲しみには見えず、怒りに見えるけど。
でも、本当はとても悲しい。
喧嘩できるってことは、相手がこちらを向いているって事。
その瞬間だけでも、自分の事だけを見てくれてるって事。
無視されるよりは幸せ。
でも、仲良くできるならその方がもっと良い。
噛み付きそうに喋りはじめたロボはいつしか、親身になってくれた友人を自慢していた。
友達の心配をしてるその人が、本当は一番もろいのかもしれない。
優しい言葉に、そんなに簡単に気を許しちゃ駄目だよ。
『本当は信じたいんだ』そんな態度が見え隠れする。
私の辛い気持ちに、一緒に愚痴をこぼし、同情し、嘆いてくれた。
キツイ言葉は、自分の周りに張り巡らした鎧。
ゼリーのようにプルプル揺れる頼りない心を、一生懸命守ろうとしている。
その弱さがきっと、そいつの可愛げなんだ。
「友達になろう」って、最後まで言えなかったけど。
照れくさいから、そんなのむず痒いもの。
言わなくても、きっとこの会話はずっとあいつの気持ちに残る。
私にも、残る。
# by Emeraldmountain05 | 2008-02-23 00:03 | ◆ SL的呟き ◆